転職で給料は上がる?下がる?転職の懐事情を探ってみた。

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読んで欲しい人

転職した場合に給料がどのように変化するのか心配している方にこの記事を読んでいただきたいです。記事を読むことによって、給料が上がる・下がることをシミュレーションできると思われます。転職理由や転職年齢が給料を変えるポイントになるので、ぜひチェックしてください。

みなさんこんにちは!転職マネジメントです。

今回のテーマは「転職で給料は上がる?下がる?転職の懐事情を探ってみた。」になります。

給料に関する記事は他にも紹介しています(気になる方はこちらをチェックしてください!)。

今回紹介する研究では、転職理由と転職年齢に着目して転職と給料の関係について分析しています。

転職を考えるにあたって、給料はとても重要なポイントになるかと思われます。

給料が上がるのか下がるのかを闇雲に不安になるのではなく、

研究というエビデンスを持って判断することで不安に対処することができるはずです。

今回の記事も中身は少し難しいですが、

みなさんの参考になる内容ですのでぜひ目を通して下さい!

では早速始めましょう!

目次

結論

まずは研究の結論を紹介します。

結論
  • 転職よる短期的な賃金における効果は、40代前であれば年収の増減率は変わらない
  • 転職よる長期的な賃金における効果は、より若い時に転職した方が長期的に年収の増加分を多くするか、もしくは減少分を少なくする
  • 転職理由の違いによって年収への効果が変わる

ポイントとしては、転職するのであればより若い時にした方が給料的には良い点です。

給料を上げるという意味では若い時に転職した方が良いという結果になります。

注意点としては転職理由によって給料への影響に変化が出るということです。

つまり何がなんでも若い時に転職すれば良いということでもなさそうです。

転職による給料への影響について詳しくみていきましょう!

研究の紹介

今回紹介する研究はリクルートワークス研究所から2016年に出稿された

「転職が賃金に与える短期的・長期的効果―転職年齢と転職理由に着目して―」

になります。

執筆者は萩原牧子先生と照山博司先生です。

本記事を執筆した時点でのお二人の経歴は以下の通りです。

萩原牧子先生:リクルートワークス研究所 調査設計・解析センター長、主任研究員、主任アナリスト

照山博司先生:京都大学経済研究所経済情報解析研究部門教授

経営・経済学の専門家であるお二人によって執筆されている研究は

緻密な定量分析がされており参考になる示唆がとても多いので、気になる方はぜひ研究をチェックしてみてください。

人的資本論とジョブマッチング論

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賃金に影響を与える影響は人的資本論とジョブマッチング論によって説明することができます。

人的資本論とジョブマッチング論については、こちらの記事で詳しく説明しているのでチェックしてください!

この記事では人的資本論とジョブマッチング論を簡単に説明します。

人的資本論

勤続年数が長くなると、所属する会社や産業で利用できる能力(人的資本)が高まって賃金が向上する

ジョブマッチング論

能力を十分に発揮できる環境で勤務することで生産性が高まり賃金が高まる

人的資本論では、年齢・企業・産業・職種による賃金変化が分析の中心となり、

ジョブマッチング理論では、転職の理由が分析の中心になります。

今回紹介する研究では転職の理由に注目していますが、ジョブマッチングの程度と転職の理由には関連性があるとされています。転職理由がジョブマッチングの要素である能力・資質・選考を説明しているからです。

日本における既存の研究では転職の理由と賃金の変化について整合的に分析することができている研究は少ないとのことで、今回の研究はスタートしています。

では次に転職による賃金への効果を、短期的・長期的に整理して解説します。

転職による賃金への短期的効果

転職理由ごとに短期的効果をみていきましょう。

  • 賃金不満:何歳で転職しても転職後の年収は増加している
  • ライフイベント病気:何歳で転職しても転職後の年収は減少する
  • 労働条件不満勤務地不満人間関係不満:25-29歳以降からの転職は年収が減少傾向になる
  • 仕事内容不満:30-34歳以降の転職は年収が減収傾向になる
  • 倒産事業所閉鎖非自発(倒産閉所以外):35-39歳以降の転職は年収が減少傾向になる
  • 会社将来性不安雇用安定性不安:40代以降の転職は年収が減少傾向になる

一般的な傾向として年齢が高いと企業特殊的スキルが他社で通用しなくなるので、年収が減少する傾向にあります。

年齢による効果は25-29歳に比べて40・50代で年収が減少する傾向がありますが、30代までは差が生じないです。

年齢による影響が出ない転職理由は賃金不満になります。

その他の転職理由(労働条件・勤務地不満)も40代・50代での賃金が下がる傾向はあまり出ません。

ただライフイベント病気による転職は50代での賃金が大幅に下がることになります。

転職年齢と転職理由による賃金への短期的影響をまとめます。

転職年齢と転職理由による賃金への短期的影響
  • 賃金不満:年齢の影響なし
  • 労働条件・勤務地不満・仕事内容不満・会社将来性・雇用安定性不安:50代までは転職による賃金への影響なし
  • その他の理由:40代になるまでは転職による賃金への影響なし

転職による賃金への長期的効果

長期的効果についても転職理由を軸に解説していきます。

  • 賃金不満:何歳で転職しても転職後の年収は増加している
  • ライフイベント病気:何歳で転職しても転職後の年収は減少する
  • 労働条件不満勤務地不満人間関係不満:25歳時点での転職はあまり影響がないが、30-35歳で転職した場合には転職直後の年収が大きく低下する。低下した給料はその後で回復し、30歳で転職をした場合は45歳までに転職しなかった場合の年収を超える
  • 仕事内容不満:25-30歳時点での転職は転職しなかった場合よりもその後の給料が高くなる。35歳で転職した場合には転職直後の年収が大きく低下する。低下した給料はその後に回復し、45歳までには転職しなかった場合の年収を超える
  • 倒産事業所閉鎖非自発(倒産閉所以外):25歳時点での転職はあまり影響がないが、30-35歳で転職した場合には転職直後の年収が大きく低下する。低下した給料はその後で回復し、30歳で転職をした場合は45歳までに転職しなかった場合の年収を超える
  • 会社将来性不安雇用安定性不安:25-30歳時点での転職は転職しなかった場合よりもその後の給料が高くなる。35歳で転職した場合には転職直後の年収が大きく低下する。低下した給料はその後に回復し、45歳までには転職しなかった場合の年収を超える

退職理由・転職年齢によって賃金が変化することが分かります。

一般的な傾向としては若い時に転職を経験した方が、長期的に給料は上がる傾向(プラスの影響)があることです。

次に転職による賃金への影響についてまとめていきます。

転職による賃金への影響

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転職理由によって賃金への影響が異なることが分かります。

ポイントとしては、短期的な影響と長期的な影響で異なる結果が出ている点です。

例えば転職理由の仕事内容不満を見てみましょう。

短期的に見ると仕事内容不満の理由で転職すると給料は下がりますが、長期的に見ると給料は上がることになっています。

つまり転職理由によっては、短期的にマイナスな影響を与えるけれども長期的にはプラスの影響を与えるものがあるということです。

一方で短期的にも長期的にもマイナスな影響を与えてしまう転職理由があります

例えば人間関係不満という理由で転職をすると短期的にも長期的にも給料が下がることになります。

以上の様に転職の理由によっては、時間軸に従って給料に対する影響が変わってくるということです。

傾向をまとめると次の通りになります。

年齢の傾向

転職する年齢が若いほど、給料に対する影響は薄いor プラスに働く

転職する年齢が若いほど、給料に対する影響はマイナスに働く

時間軸に関係ない傾向

賃金不満を理由に転職すると、年齢を問わずに給料にプラスに働く

ライフイベント病気を理由に転職すると、年齢を問わずに給料にマイナスに働く

年齢によって異なる影響

労働条件・勤務地・人間関係不満、倒産・事業所閉鎖を理由に転職する場合、年齢が若い場合は長期的にみて給料にプラスの影響を与える傾向があるが、年齢が高い場合は長期的にみて給料にマイナスの影響を与える傾向がある

長期的にプラスになる影響

仕事内容不満・会社将来性不安・雇用安定性不安、非自発的を理由に転職する場合、年齢を通して長期的に給料にプラスの影響を与える傾向がある

転職理由・転職年齢によって給料に対する影響が異なることが判明しました。

転職する際には自分自身の転職理由を振り返ってみて、給料に対する影響はどのようなものになるのかを確認した方が良いでしょう。

転職理由を確認する際には転職マネジメントまでにご相談していただくか、転職サービスを活用すると良いのかもしれません。

【リクルートエージェント】

まとめ

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今回は「転職で給料は上がる?下がる?転職の懐事情を探ってみた。」をテーマに解説しました。

転職理由や転職年齢によって給料が上がったり下がったりすることが明らかになりました。

給料は転職する際の重要な判断基準になるので、転職した後の給料をシミュレーションする際には転職理由を振り返ると良いのではないでしょうか。

以上で今回の記事は終了となります。

お付き合いしていただきありがとうございました。

転職マネジメントでは、転職・キャリアに関する情報を発信していきますので是非チェックしてください!

参考文献

萩原牧子 ・照山博司(2016)「転職が賃金に与える短期的・長期的効果 – 転職年齢と転職理由に着目して- 」リンク