海外の転職傾向を分析してみた。日本とは全く異なる雇用形態に迫る!

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読んで欲しい人

海外で働きたいと考えている方や、海外での現地採用に悩んでいる企業の方にこの記事を読んで欲しいです。海外での一般的な転職傾向を知ることで、海外でのキャリア形成に役立てることができます。また企業にとっては、現地採用で気をつけるポイントが分かります。外国籍の方を日本で採用する際の人材管理の指針としても活用できると思われます。

みなさんこんにちは!

転職マネジメントにお越しいただきありがとうございます。

今回のテーマは

海外の転職傾向を分析してみた。日本とは全く異なる雇用形態に迫る!

です。

みなさんの中には海外で働きたい方もいるかと思います。

海外の刺激的な環境で働くことはとても魅力的です。

海外で働く場合でも、自分の理想とするキャリアを作り上げていくことは重要ですよね。

ところで海外のキャリア形成傾向を知っている方はいますか?

外国での転職事情なども全く検討がつかないですよね。

後述しますが国によってキャリアの作り方や転職に対する考え方が

全く違うことが研究で示されています。

外資系企業では、日本企業と同様なキャリア形成システムが構築されている訳ではないということです。

もしみなさんが海外で長期的に仕事をしたいと言う考えがあるのであれば、

外国での転職傾向やキャリア形成傾向を知っておくに越したことはないので、

ぜひチェックしてください。

また海外に進出している企業にとっても、

海外の転職傾向を知ることは非常に有益ですので、

企業の方もぜひご覧になっていただければと思います。

では早速始めていきます!

目次

結論

まず初めに研究の結論を紹介します。

結論
  • 海外で転職を繰り返す人は一部の割合である。
  • アジア諸国の転職理由は賃金への不満が大半で、転職をすることで年収・キャリアアップを実現させている。

海外の転職に対するイメージは、転職する割合が多いのかなというものでした。

しかし研究によると、あくまで転職を繰り返す人は一部の割合に留まることが判明しました。

また転職に関して日本とアジア諸国で最も違うことは、アジア諸国では転職することによるメリットがとても大きいことです。

日本だと転職を繰り返すと待遇が下がる傾向がありますが、アジア諸国では転職によるネガティブな影響はあまりないとのことでした。

以上の他にも研究には面白い気づきが沢山あるのでこれから解説しますね!

研究の紹介

今回紹介する研究は2013年にリクルートワークス研究所研究報告から

萩原牧子先生によって執筆された

「彼らは本当に転職を繰り返すのか―アジアの転職実態、転職要因・効果の実証分析―」です。

萩原牧子先生は当記事公開時点でリクルートワークス研究所、調査設計解析センター長 / 主任研究員 / 主任アナリスト

という経歴であるプロフェッショナルな研究者です。

萩原牧子先生の論文にはテレワークに関するものなど非常に興味深い研究が多いので、

今後の転職マネジメントで解説していけたらと考えています。

研究対象の国々

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調査を実施した国は大きく分けてアジア諸国とアジア以外の国々に分けられます。

アジア諸国の調査対象の国々は

中国・韓国・インド・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナムです。

アジア以外の調査対象の国々は

アメリカ・ブラジル・ドイツ・ロシア・オーストラリアです。

調査では特に、大卒以上の都市部で働く20代・30代の人に注目して調査をしています。

日本のデータはワーキングパーソン調査を利用しています。

国によって異なる就業形態

まずは勤務先の種類についてまとめます。

  • 公務員の割合が高い
    • ①ベトナム(20.4%)、②マレーシア(14.2%)、③インドネシア(10.5%)
  • 国営・公営企業勤務の割合が高い
    • ①中国(24.7%)、②アメリカ(20.6%)、③インド(14.7%) 
  • 外資系企業勤務の割合が高い
    • ①中国(35.7%)、②インド(22.4%)、③マレーシア(22.3%)
  • 内資系企業勤務の割合が高い
    • ①日本(80.2%)、②韓国(76.7%)、③アメリカ(60.3%)

意外な点はアメリカが国営・公営企業勤務の割合が高いところです。

日本が内資系企業勤務の割合が高い点はイメージ通りですね。

次にフルタイムの割合です。

フルタイムに関しては日本とアメリカ以外のすべての国で

働いている人の中で9割以上がフルタイムで勤務していました。

日本とアメリカでは女性がフルタイムで勤務する割合は2割程度になっていますが、他国では性別による差は見られないことが特徴です。

次に無期雇用の割合について説明します

無期雇用の割合は8割を超える国がほとんどですが、日本と中国は7割ほどでベトナムは4.5割ほどになっています。

また日本では性別によって無期雇用の割合が変化しますが、他の国では性別による差はあまり見られません。

国によって異なる転職状況

日本の平均的な転職回数は0.87回であり、

調査国の中では最も少ない転職回数でした。

しかし他の国の転職回数もほとんどが1回程度なので、あまり違いはないと考えられます

20代での転職未経験の割合は日本・韓国・アメリカは7、8割程度と他の国に比べて高いですが、30代になると転職割合はあまり変化ありません。

全体的に日本人の転職回数が少ないと見られる理由としては、

日本人は転職したとしても転職回数が少ないことが考えられます。

他に特徴的な転職傾向としては、

インドネシア・マレーシア・タイでは一部の人が転職を繰り返している点が見られます。

転職理由

転職理由は日本と日本以外の国で大きく異なります。

日本以外の国では賃金の不満が1番の要因になっています。

一方で日本の転職理由は仕事内容への不満や労働条件などになっています。

転職をする人

年齢を重ねるごとに転職をする人が増える傾向は万国共通です。

学歴に関しては、大学院卒が大学卒よりも転職しない傾向にある国はインドネシア、アメリカ、日本です。

理系の方が転職する確率が低いのはマレーシアと日本です。

転職の効果

転職でフルタイム勤務になる割合が増えるのはほとんどの国に当てはまりますが、男女ともにフルタイムの割合が減っているのは日本だけです。

昇進に関しても日本は転職経験者は不利な状況であって、転職すると昇進しにくくなっていることが読み取れます。

中国やタイの男性だと転職未経験者よりも2回経験者の方が管理職である確率が高いです。

アメリカも転職経験者が管理職になる割合は高いですが、最も高いのは転職を1回経験した人です。

年収に関しては転職によって年収が減った国はほとんどなくて、増える国が多いです。

転職による長期的な影響を見てみると、転職を繰り返すほどに年収が低くなっている国は日本とインドのみです。

マリーシア・ベトナム・アメリカにおいては転職を3回以上繰り返すと年収が低くなります。

その他の国では転職を繰り返しても特に年収に対する影響は見られません。

以上のことをまとめますと次の通りです。

  • 一般的な傾向
    • 転職を繰り返す人は一部(インドネシア・マレージア・タイに多い)に見られる。
    • 初めての雇用形態が有期雇用の人ほど転職しやすい。
    • 転職を繰り返した経験を持つほど年収が低いのはインドと日本である。
  • 日本で見られる傾向
    • 日本の転職率は、転職するまでの期間が短くて回数が少ないから低く見えるけれども他の国と比べてもそこまで低くはない。
    • 日本の転職理由では賃金への不満をあげる割合は少ない。
    • 日本では転職回数が多いと管理職である確率は下がる。
    • 日本でのみ生え抜きと中途採用者の待遇の差がある。
  • 外国で見られる傾向
    • 外国の転職理由で最も多いのは賃金と労働条件・勤務地に関するものになる。
    • 外国では転職経験があると管理職である確率が高くなるか、もしくは影響がない。日本以外の国では転職すると年収が上がるか影響がない。

海外で転職する際の対策方法・海外の方の転職観への対策方法

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転職マネジメントが提案する海外で転職する際の対策方法について解説します

海外では日本と違って転職によるデメリットが少ないことを意識することが大切です。

むしろ転職することによって昇進が見込めるなどのメリットが見込めますし、

転職回数が増えることに対するデメリットも見受けられないので

転職をすることに対して前向きに考えても良いでしょう。

とはいっても外国でも転職を4回も5回も繰り返す人は多数派ではないです。

自分に合った仕事をじっくり選択する必要はあるようです。

次に転職マネジメントが提案する海外の方の転職観への対策方法を説明します。

海外の方は転職に対してマイナスなイメージがないので、

妥当な理由があれば転職を検討する人が多いでしょう。

引き止める場合は待遇で交渉することが効果的かもしれません。

研究で示されている通り外国の方の主な転職理由は待遇(賃金・労働条件)に関するものです。

転職を引き止めたい場合は、従業員を正当的な評価をすることで防げるかと思います。

海外の転職状況について詳しく知りたい方は、転職マネジメント窓口までにご相談ください。

まとめ

今回のテーマは

「海外の転職傾向を分析してみた。日本とは全く異なる雇用形態に迫る!」でした。

結論
  • 海外で転職を繰り返す人は一部の割合である。
  • アジア諸国の転職理由は賃金への不満が大半で、転職をすることで年収・キャリアアップを実現させている。
対策方法
  • 海外で転職する際の対策方法
    • 海外では日本と違って転職によるデメリットが少ないことを意識してキャリア形成をする
  • 海外の方の転職観への対策方法
    • 転職を引き止めたい場合は従業員を正当的な評価して待遇を改善する

以上で今回は終了となります。

お付き合いいただきありがとうございました。

転職マネジメントでは転職・キャリア形成に関する情報を発信していますので、

ぜひチェックしてください!

参考文献

萩原牧子(2013)「彼らは本当に転職を繰り返すのか―アジアの転職実態,転職要因・効果の実証分析―」リンク