転職を20代・30代にしても大丈夫?早めの転職と給料の関係を見てみよう!

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みなさんこんにちは!

転職マネジメントにお越しいただき、ありがとうございます。

さて今回も転職・キャリア形成に役立つ論文を解説していきます。

今回のテーマは「若い時の転職活動が給料にどういう影響を与えるのか」です。

就職活動を経てやっとの思いで入社した会社で実際に働いてみると

「思っていたものと違う」という

経験をしたことある方々は多いのではないでしょうか。何を隠そう自身も入社してからのギャップに、良い意味でも悪い意味でも驚いている毎日です。

そんなギャップについていけない方も多いですよね、

私の友人の中にもギャップについていけず、新卒入社してから半年ほどで転職をしてしまった人がいます。

しかし、新卒後にすぐに会社を辞めることは勇気が要ります。普通の感覚ではせっかく就活を頑張って入った企業を、すぐに辞めることは怖いと思います。

果たして会社のギャップを感じた場合に、

  • 入社してすぐの20代・30代で思い切って転職するのか
  • それとも踏み留まって継続して勤務するのか

どちらが良いのでしょうか?

なかなか難しい問題ですよね。

やりたい事やお給料のことなど、不安な事がたくさんあるので、

一人で考えていたら眠れなくなるほど悩んでしまいます。

そこで、転職マネジメントの出番です。

今回のテーマ、

入社してすぐの20代・30代で転職することは、給料にどんな影響が出るのか

に対して、研究成果を用いてエビデンスを持った決断をしましょう。

それでは参りましょう!

研究の結論を簡単にご覧になりたい方は、文末までスクロールしてくださいね!

目次

取り上げる研究の紹介

取り上げる研究は慶應技術大学大学院商学研究科から

2004年に戸田淳仁さん・馬欣欣さんによって執筆された、

「若年時の転職がその後に及ぼす影響」です。

本記事更新時点の著者の方々の経歴は、戸田淳仁さんはリクルートワークス研究所研究員、馬欣欣さんは富山大学学術研究部社会科学系准教授になります。

まさしく研究のプロと言える素晴らしい方々です。論文のリンク等は文末に貼ってありますので、是非ご参考にしてください。

今回取り上げる研究は10年以上前という少し昔の論文になりますが、

堅実な研究手法で分析された論文は、今の時代でもとても参考になると思われます。では、早速研究の中身を解説していきます!

前知識

今回のテーマで重要な論点には、

ジョブマッチング理論人的資本論という

転職や賃金上昇に関する代表的な研究があります。

なんだか難しそうな言葉ですが、簡単に説明しますので安心してください。

詳しい解説は別の機会でしますね。

ジョブマッチング理論の主なポイントです

  • 企業と社員のマッチングが良いと、社員の勤続年数が長くなり、能力を十分に発揮することができて、賃金が上昇する。
  • 企業と社員のマッチングが悪いと、社員の転職する可能性が高く、勤続年数が短くなる。

要するに企業や仕事との相性がキャリアに影響するという理論です。

次に人的資本論のポイントを説明します。

  • 人的資本はスタートラインとしての学歴と仕事を通じて得られる知識や技術で構成される。
  • 人的資本が上昇すると、生産性が向上して賃金も上昇する

簡単に言うと人的資本論とは、人の能力がキャリアに影響すると言う理論です。

そして人的資本には2種類あります。

一般的人的資本企業特殊的人的資本です。

ここでは簡単に一般的資本と企業的資本とします。

(あんまり略せてなくてすいません。)

一般的資本とはどこでも役立つ能力でして、

例えば世界のどこでも通用するお医者さんの手術スキルなどが挙げられます。

一方で企業的資本とは特定の企業の中でしか通用しないものです。

会社独自のマネジメントスキルなどが該当します。

以上が研究を読み解く際に必要な知識になります。

まとめると次の通りです。

前知識
  • ジョブマッチング理論:仕事との相性がキャリアに影響する
  • 人的資本論:人の能力がキャリアに影響する
  • 一般的(人的)資本:どこでも役立つ能力
  • 企業的(特殊的人的)資本:特定の企業でしか通用しない能力

さて前知識の整理はここで終わりです。

研究の着眼点

ジョブマッチング理論によると、

転職をしてより相性の良い仕事に就くとお給料が上がります。

一方で人的資本論によると、

転職をすると企業的資本がなくなるのでお給料が下がります。

ジョブマッチング理論と人的資本論でお給料が上がるか下がるか変わりますよね。ちょっとややこしいですよね。

今回は20代・30代の若年時の転職活動に着目していますが、

新卒後の転職で、お給料は上がるのでしょうか下がるのでしょうか?

戸田淳仁さん・馬欣欣さんが既存研究を調査したところ、論文執筆時には20代・30代の学卒直後の転職経験とお給料の関係性について調査した研究はなかったそうです。

そこで戸田淳仁さん・馬欣欣さんは「若年時の転職がその後に及ぼす影響」を調査することにいたったのです。この研究で使用したデータは慶應家計パネル調査(K H P S)の第1年分となります。

分析の結果を見ていきましょう!

研究結果

ここでは研究結果のみを載せますが、分析手法も非常に大切です。

お時間があって興味のある方は分析手法を是非チャックしてみてくださいね。

結果
  1. 卒後3年以内の転職は、生涯的なお給料に影響がない
  2. 卒後5年以内の転職は、生涯的なお給料がプラスになる
  3. 若年時に転職することは、40歳まではお給料に影響がない
  4. 若年時に転職することは、60歳までにはお給料がプラスになる

これは読み解く際にとても注意が必要な結果です。

言葉通りに鵜呑みにしない方が安全ですし、結果だけ見ても勿体ないので、背景や考えられる理由を解説しますね。

まず①、②に関して解説します。

入社してから3年以内で転職することは、業務をあまり経験しないで転職することになります。

つまり企業的資本がない状態で転職することになるので、そもそも企業的資本を失う心配がありません。

ある意味、失うものは何も無い状態なので転職をしてもしなくても特にお給料には影響がないとのことです。

入社してから5年以内の転職でお給料がプラスになる理由は、

戸田淳仁さん・馬欣欣さんが指摘するには、

  • もともと転職者の能力が高かった
  • 転職で企業とのマッチングが上手くいった

の2点を推測しています。

理由としては、社会人生活5年目にもなると酸いも甘いも噛み分けて自分に合う仕事が分かり、転職を通じてジョブマッチングを高めることができている、ということです。

次に③、④に関して説明します。

卒後すぐの20代・30代という若年時の転職活動は

40歳までにはお給料に対して影響がなく、60歳までになるとお給料をプラスにする、という影響を与えます。

つまり20代・30代の若年時の転職が長期的で中高年になって、やっと効果が現れてくるということを意味します。

以上が研究の結論になります。

それでは最後に、結論を読み解く上での注意点を踏まえて解説をします。

解説

結論だけをみると、

「なんでもかんでも、入社してから4・5年目で転職すれば良いのか!!」

となってしまいますが皆さんには注意して欲しいことがあります。それは再三出ている、ジョブマッチング理論です。

お給料を上げるためには仕事と自分の相性が良いことが大切だという視点です。

戸田淳仁さん・馬欣欣さんの研究を通したメッセージは、

「若いうちに妥協せずに自分に合う仕事を見つけることが、良い給料につながるよ」だと理解しています。

転職ブームに乗っかって、なんとなく待遇の良さそうな企業に転職することは危険だということです。

その仕事を好きになれるか仕事と自分が合っていると感じているか

を見つめ直すことがお給料のアップに繋がるのではないでしょか。ここの5年という期間は自分の趣向を理解する時間だと思います。

だんだんやっている内に仕事が好きになるケースも多いので、

5年という期間を目処にして働くことは良いかのかもしれません。研究では3年以内の転職はその後のお給料に関係ないとしています。

裏を返せば、仕事が自分に合ってなくてダメだと思ったら、すぐに転職しても給料的に悪いことはない、という力強いメッセージではないでしょうか?ですので不満があれば、思い切って辞めてしまうことも有りなのかもしれません。

以上を踏まえて図を作成しました。

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卒後5年間は20代・30代近くはジョブマッチング期間として60歳まで続けても良いと思う仕事を探す期間にする。

最初の3年間は続けても辞めても変わらないので、合わないと思ったらスパッと辞めてもよい期間にする。3年間続いたら、その後2年間も続けてみる。

兎にも角にも、自分に合う仕事を見つけることを第一にしましょう。

まとめ

それでは、まとめをします。

研究内容

  1. 卒後3年以内の転職は、生涯的なお給料に影響がない
  2. 卒後5年以内の転職は、生涯的なお給料がプラスになる
  3. 若年時に転職することは、40歳まではお給料に影響がない
  4. 若年時に転職することは、60歳までにはお給料がプラスになる

解説内容

  • 卒後5年間は自分に合う仕事を探そう!

以上の項目が研究と解説のまとめになります。

心配をよそに、卒後の若い20代・30代の転職は、自分に合った仕事を探す意味では積極的に行った方が良いと言う研究結果でした。

早めに転職することを無駄に怖がる心配はなさそうですね。しかし自分に合った仕事を見つけることは、とても難しいですよね。

客観的な意見を聞くために、外部のサービスを利用してみても良いのかもしれません。

マイナビAGENT

【リクルートエージェント】

以上で本記事は終了となります。長くお付き合いいただきありがとうございました。少しでもみなさんのお役になればとても嬉しいです。

転職マネジメントでは引き続き、エビデンス・根拠を持って転職をするための判断基準となる情報を発信する予定です。

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参考文献

戸田淳仁・馬欣欣(2004)「若年時の転職がその後に及ぼす影響 リンク