

地方出身者の方で、転職・就活・キャリアについて悩んでいる方に記事を読んで欲しいです。都市出身者と地方出身者での待遇の差についての現状を説明し、地方出身者の方に向けた対策方法を提案しています。この記事を地方出身者の方が読むと、今後のキャリアを築く上でのヒントになるはずです。
みなさんこんにちは、転職マネジメントです!
今回のテーマは「都市出身者と地方出身者で、待遇の差はあるのか?|転職・就活のヒント」です。
今回扱う研究は、育った地域によって待遇の差は生じるのかというテーマを設定しています。
地域によってコミュニケーション方法が異なることに注目し、そのコミュニケーション方法の違いが待遇の差を生み出すのかを調査しています。
生まれ育った地域は自分では変え方もない要因ですので、転職マネジメントでは生まれ育った地域によるビハインドがある場合に、どのような対策方法があるのかを提案します。
それでは早速始めましょう!
目次
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研究の結論紹介

都市部で働く場合、地方出身者よりも都市部出身者の方が待遇の良い傾向がある
結論だけ見ると、地方出身者の方にとっては少し不公平なニュアンスを感じてしまいますよね(この記事の執筆者も地方出身者なので少しショックです)。
結論の背景を読み取り、地方出身者のビハインドを克服するために何をできるのか考察していきます!
取り上げる研究の紹介
今回取り上げる研究は2016年に高崎経済大学地域科学研究所紀要より出稿された、「マッチング生産性のコミュニケーション要因仮説の試験的分析-都市部での就業は都市で育った者ほど有利なのか-」になります。
研究の内容が気になる方は、ぜひ原文をチェックしてくださいね!
都市と地方でのコミュニケーションの違い
方言学や社会言語学の分野では、都市部と地方都市によって言語行動という非言語コミュニケーションの特徴が異なることが明らかになっています。
その違いの例として紹介されているのは感謝表現です。都市部では直接的に感謝を表す言葉を利用するのに対して、地方では間接的に感謝を示す言葉を利用する傾向があります。
こうしたコミュニケーションの違いや、生まれ育った地域による影響によって、待遇が変わる可能性もあるのではということです。
コミュニケーションは人と人の相性にも左右します。現に部長職などの管理職への昇進を決める際には、その人の相性を重視しているという研究結果もあります。コミュニケーションが昇進等に及ぼす影響は、とても大きいです。
Language Theory
Langの研究によると、異なる2言語の労働者のグループでは、コミュニケーションの取引費用がかかってしまうので、その取引費用を考慮して賃金格差が生まれると説明しています。
都市と地方では同じ言語を話しているものも、コミュニケーションの方法が少し異なるとすれば、Language Theoryによって賃金格差が生まれてしまう可能性もありますよね。
調査結果

研究では、日本版General Social Surveysの2008、2010年の調査データを利用しています。推定のモデルはプロビットモデル推定などを活用しています。詳しい調査モデルを知りたい方は、原文を確認してください。
それでは分析結果を整理します。
分析結果1
都市でも非都市でも都市生育者ほど概ね賃金が高い傾向を確認することができる。
分析結果2
都市でも非都市でも都市生育者は概ね、正社員比率や部長以上比率が高い
分析結果3
都市出身者ほど、都市での自営業・自由業比率が高い
分析結果をまとめると、都市出身者の方が賃金や昇進ではアドバンテージがあると推定されます。
その理由として、研究ではコミュニケーション方法の違いを取り上げています。ただ研究者も指摘している通り、都市出身者と地方出身者での待遇の差の違いを生み出す要因には、コミュニケーションの違いの他にも学歴などの要因も考えられています。
(研究で扱っているデータにコミュニケーションに関する記述があることを読み取ることはできませんでした。都市出身者と地方出身者の待遇の差は調査資料をベースにして統計的に推定することはできますが、その待遇の差とコミュニケーションとの関連性はあくまで研究者の一考察ではないかと読み取れます。)
コミュニケーションの違いが待遇の差を生み出すと仮定を置いた場合、地方出身者はどのような対策方法を取れば良いのでしょうか?
地方出身者はどうすれば良いの?

この記事を書いている筆者も地方出身者です。研究によると、地方出身者のビハインド状況が明らかになっていますが、それでは地方出身者はどのようにすれば、順風満帆な企業人ライフを歩むことができるのでしょうか?
転職マネジメントが知恵を絞って、地方出身者の人ができることを幾つか紹介します。
そもそもコミュニケーション能力とは?
状況によって求められるコミュニケーション能力の属性は異なると思います。例えば友人関係を築くコミュニケーション能力と、社会人として関係を築くコミュニケーションは違うことは容易に想像できますよね。
今回は社会人として関係を築くコミュニケーションに焦点を当てます。
この場合のコミュニケーションいついては、こちらの記事にまとめてありますので、ぜひ読んでみてくださいね!
簡単にコミュニケーション能力についてまとめると、コミュニケーションには論理表現・人間関係・客観的素直、という3つの要素があります。
論文で取り上げられている感謝表現というのは、論理表現という枠組みの一要素になります。
ここで疑問に感じるのは、果たしてコミュニケーション能力の一要素にすぎない表現力(感謝表現)が都市出身者と地方出身者の待遇の差を本当に分けるのかという点です。
おそらく待遇の差を分けているのは複合的な人的資本であって、どれか一つが強く反応していているという訳ではないと考えられます。
学歴、コミュニケーション能力、情報収集能力、属しているコミュニティによる要因など、多くの要因が考えられますよね。
従ってコミュニケーション能力を単に向上すれば、地方出身者の方の待遇が良くなるという話ではないと考えられます。
では地方出身者の方はどのようにすれば良いのでしょうか?
地方出身者の方に向けた対策方法
転職マネジメントが提案する方法は、デジタル上のコミュニティに属することです。
今やtwitterなどのSNSで転職や就活において有益な情報を発信している方も多くいますし、オンラインサロンを運営している組織もあります。
そうしたデジタル上のコミュニティは場所を問わずに所属することが可能であり、都市出身者の方と同じ情報を同じ鮮度で入手することができます。
注意点としては、情報ソースの良し悪しを判断することです。残念なことではありますが、学生が怪しいオンラインサロンに入ってしまい大金を注ぎ込んでしまうケースもあります。
Twitterをフォローするにしても、オンラインサロンに入会するにしても、キチンとしたところからの情報を入手するようにしてください。
素晴らしいデジタル上のコミュニティに所属することができれば、自ずとコミュニケーション方法などの情報も手に入るはずです。
どんなコミュニティがおすすめなのか分からない方はぜひ、転職マネジメントにご相談ください!
まとめ

賃金や昇進では都市出身者と地方出身者の人的資本の差が大きく影響しており、都市出身者の方が有利である
デジタル上のオンラインコミュニティに所属することで、有益な情報を入手する
以上で今回の記事は終了となります。
一般的に地方出身者の方は、キャリアを築いていく上では都市出身者の方と比較してビハインドがあることが明らかになっています。
しかしそのビハインドを克服する手段はあります。その一つとしてデジタル上のオンラインコミュニティに所属することを転職マネジメントは提案しています。
転職マネジメントは、地本出身者の人は勿論ですが、全ての人が自分らしいキャリアを築くことをサポートしていきたいと考えています。
今後も転職マネジメントでは、転職・キャリアに関する情報を皆さんが参考になるように発信していきますので、ぜひチェックしてください!
参考文献
小林徹(2016)「マッチング生産性のコミュニケーション要因仮説の試験的分析-都市部での就業は都市で育った者ほど有利なのか-」『高崎経済大学地域科学研究所紀要』