昇進するには?日本企業の昇進システムを解説します!

読んで欲しい人

昇進制度を知りたい方に読んでいただきたいです。日本企業の昇進制度を理解することによって自分自身のキャリアパスを描けるようになると思います。転職希望の方はもちろん、学生の方も将来のキャリアを想像することに役立つと思うので是非チェックしてください!

皆さんこんにちは!

転職マネジメントにお越しいただきありがとうございます!

今回のテーマは「昇進するには?日本企業の昇進システムを解説します!」です。

働く上で昇進はとても気になるトピックだと思われます。

会社で働いていて自分のキャリアパスをどのように描けるのかを想像している方も多いはずです。

今回取り上げる研究は日本企業の雇用制度を解説しており、昇進システムについても構造的にまとめられています。

一般的な日本企業での昇進システムを理解しておくことで、皆さん自身のキャリア形成に役に立てるはずです。

転職を考えている方も日本企業の雇用制度を理解することで、転職戦略も考えていけるのではないでしょうか。

では早速始めていきましょう!

目次

研究の紹介

紹介する研究は2011年に日本労働研究雑誌から出されている

「管理職への選抜・育成から見た日本的雇用制度」になります。

著者の八代充史先生は慶應義塾大学商学部教授です。

先生の専門は人的資源管理論・労働経済学といった、働いている人々に注目した研究をされています。

また機会があれば先生の他の研究を紹介していきたいと考えています。

日本的雇用制度

次に日本的雇用制度の紹介をします。外国の雇用制度と比較をしながら日本的雇用制度の特徴を解説します。

三種の神器

日本的経営の三種の神器という言葉はとても有名なので、聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

三種の神器というと壮大なものをイメージしてしまいますが、簡単に説明すると日本的経営の三種の神器は日本企業の代表的な雇用制度を表しています。

日本的経営の三種の神器:終身雇用・年功賃金・企業別組合

3種の神器をベースにしつつ、新卒一括採用で人員を確保しながら、欠員は転職者で埋めるという体系が日本的雇用制度となります。

昇進・昇格システム

日本企業の昇進システムはトーナメント型競争と年次を軸にした重層型のキャリアをベースにしています。

トーナメント型競争のポイントは次の通りです。

  • トーナメント型競争:企業内のキャリアは競争で、勝者は次のステージには進めるが敗者は踊り場に留まる

重層型のキャリアにはポイントが2つあります。

  • 一律年功:同一年次同時昇進
    • 情報の非対称性を解消する期間を設ける
    • 訓練投資を行う
    • 全ての従業員に満遍なくモチベーションを高めてもらう
  • 昇進スピード競走
    • 昇進をインセンティブにするために昇進スピードで差をつける

トーナメント型競争と重層型キャリアを採用する日本企業では、トーナメントの第一回戦を長めに設定して、段々と選抜が進められているということです。

世界各国と第一選抜(トーナメント一回戦)の期間を比較すると、日本が7.9年に対してアメリカは3.4年、ドイツは3.7年となっています。

また上位役職への昇進機会がなくなる人が半分以上になる期間は、日本:22.3年、アメリカ9.1年、ドイツ11.5年になっています。

日本的雇用制度である重層型キャリアトーナメントでは選抜期間が長いことが分かりますね!

選抜期間が長いと優秀な社員さん達はモチベーションが低くなってしまいますが、活躍できていない社員さんのモチベーションを保つことはできる、というメリットとデメリットがあります。

日本企業では従業員を辞めさせることが難しいので、いかに社員全員のモチベーションを保つかという点が重要視されます。

社員間の格差を長期的に段々と行うことによって、社員の不満があふれることを防ぐことを重視しているのです。

人事を決める部門はどこ?

昇進は長期的に行われるので、人事は会社全体で決めなければいけません。

同一年次のキャリアを緩やかに進めていくには人事部門がゲートキーパーとして取りまとめて行う必要があります。

課長レベルでの昇進で影響があるのは、部門長と直属上司が57.4%で人事部門が29.4%になります。

部長昇進に関しては、部門長と直属上司が27.8%で人事部門が7.4%、役員会等が61.5%になります。

役職が若いうちは昇進において人事部門の影響が強いことが見て取れます。

逆に役職が高くなると、役員会等の経営部隊が昇進を決める上で大きな影響を与える傾向があります。

いずれにせよ人事を決めるのは長期的に会社を俯瞰できる部門(人事・経営)になります

配置転換を積極的に行う日本企業

日本企業の特徴の一つにジョブローテーションがあります。

部門を超えた配置転換は20代だと51.3%で、年齢が高くなるほど配置転換する割合は減少します。

配置転換する理由として、日本企業が昇進にあたって一つの職能だけではなく別の職能も経験していることを重視していることがあげられます。

逆にアメリカやドイツでは同じ職能の中でキャリアを積んでいくことを重要視しています。

日本企業の雇用体制は、職に就く「就職」というよりも会社に就く「就社」という表現が近いのかもしれないですね。

専門職と管理職の曖昧な境界線

職能を大きく二つに分けると専門職と管理職があります。

専門職と管理職というくくりはあるのですが、現場としては専門職と管理職の境界線は曖昧なものになっています。

例えば、研究者の69.7%が研究職の年齢制限を感じているという研究報告があります。

その理由として専門職としてキャリアを歩んでいたけれども、年次が上がることによって管理職に押し上げられてしまい専門職に専念できなくなるということです。

逆に管理職畑を歩んでいたけれども専門職に配置転換される人もいます。ここでの専門職では昇進できなかった方のプールになっているといえます。

専門職と管理職は曖昧な境界線が貼られており、ミスマッチを誘発することになります。このミスマッチは日本的雇用制度が生み出した負の遺産と考えられます。

日本的雇用制度の未来

日本的雇用制度は終身雇用・新卒一括採用・年次管理を3本柱として構築されています。

この3本柱があるかぎり、システム的に幹部候補生の早期選抜などの施策を実行することは難しいと考えられます。

新卒採用の枠を減らし中途採用を増やしていくことや、産業的な要因によって日本的雇用制度の色は薄くなるかもしれませんが、日本的雇用制度はまだまだ健在であると予測されます。

昇進するには?

以上の研究の分析を踏まえて戦略的に昇進するには、どのようにキャリアを進めていけば良いのでしょうか。

転職マネジメントが提案する方法として生え抜き社員の方と転職者の方に向けた二つの方法があります。

まず生え抜き社員の方に提案する対策方法は、持久力の戦いであることを意識して守備範囲を広くすることです。

日本企業の多くは長期選抜を軸にしており、上級管理職へ昇進するには数十年という期間がかかりますので、腰を据える必要があります。

また幅広い経験をした人物が求められるので、守備範囲を広くして様々な案件に対応できる能力を身につけましょう。柔軟性がポイントになります。

人事評価は若い時とキャリアを積んだ時でアプローチする人は変わります。

キャリアが若いときは、直属の上司・部門長・人事部の評価に気をつけましょう。キャリアを積んだ時は、経営層の評価に気をつけましょう。

現場と経営層では求められる能力が異なります。自分自身に何を求められているのかを理解することも大切です。

次に転職マネジメントが提唱する転職者が昇進するための方法を紹介します。

重要なことは日本企業では転職者は圧倒的に不利であるということです。

ですので、可能であれば日本的雇用制度の影響が薄い企業に転職することを考えましょう。

また転職者に求められていることは専門性です。自分自身の強みを伸ばして専門性を発揮することが企業に一番評価されるポイントになります。

まとめ

今回は「昇進するには?日本企業の昇進システムを解説します!」について解説しました。

日本的雇用制度のメリット・デメリットを紹介しました。

日本的雇用制度の良いところは、周りと比較してこぼれる心配が少ないというところでしょうか。従業員の方は法律で解雇されにくいように守られていますし、年次管理で一定のキャリアアップを見込むことができます。

一方で日本的雇用制度の悪いところは、電車でいうところの普通電車しかないところかと。目的地まで快速電車や特急電車で早く行きたい人にとっては少し物足りないかもしれません。

どちらが正解ということもなく好みの問題ですので、好みに従ってキャリアパスを選択していただければ幸いに思います。

以上で今回の記事は終了となります。

転職マネジメントはtwitterでも転職・キャリア形成に関する情報を発信していますので、ぜひチェックしてください!

参考文献

八代充史(2011)「管理職への選抜・育成から見た日本的雇用制度」リンク